憧れのドブロヴニクへ/6日目:スプリット編
15時。時間通りにバスは出発します。憧れのドブロヴニクへ。
バスの車内に入ると、先ほどグラツカ・カヴァナで見かけた学生風の男3人組みの日本人も乗っていました。わかなちゃんが「卒業旅行ですか?」と聞くと、「いえ、違います」のそっけない返事の一言。
この社会性のなさ、対応の悪さから判断して、間違いなく学生だなと確信しました。まぁ、無理に話しかけることもあるまいと判断し、以後、彼らに話しかけることはありませんでした。
ドブロヴニクへは、バスで4時間ほどかかります。アドリア海の美しい景色を眺めながらバスは進んでいきます。左側は山、右側は断崖絶壁の海。ガードレールのない区間もあったりして、一歩間違えば死につながりかねないクネクネとした道路を容赦のないスピードで走りぬけていきます。
たまたま僕たちが乗ったバスの運転手がそうだったのかはわかりませんが、とにかく運転手さんの運転が粗い!
ちょっとでも下を向こうものならすぐに「おえっ!」となって、すぐに酔ってしまいます。でも仕方がありません。ドブロヴニクへ行くには必ず山斜面のワインディングロードを通っていかなければならないからです。悪路なんだから、せめてもう少し丁寧な運転をしてくれればよかったのですが・・・。
僕とわかなちゃんは、酔い止め薬を飲みました。
1回目のトイレ休憩は、Makarska という街でした。背後を無数の山で囲まれたとてもキレイな街です。Google で検索すると美しい写真がたくさんでてくるので是非みてみてください。
でも、実は僕たちはこの街ではあまり良いことがありませんでした。トイレ休憩のときに、トイレのクソババアにお金をすられたからです。トイレの利用料金は3Kn だったので、僕とわかなちゃんで 6Kn のはずだったのですが、わかなちゃんがトイレのババアに50Kn を渡したら、4Kn しか戻ってきませんでした。
あれ?おかしいな?と気づいた僕は「わかなちゃん、いくら出したの?」と聞くと、「50Kn だよ。」と言います。ん!?明らかに 40Kn ほどお釣りをごまかされている。僕は少し荒げた口調でこういいました。
「Wrong change!!pay back 40Kn!!」
するとガラスドア越しにいるクソババアは、クロアチア語で反撃してくる。当然、僕らにはなにを言ってるのか理解しようもない。かといって、ババアの前にはガラスがあって、中に入ることはできない。トイレ休憩は10分しかないので、モタモタしているとバスは出発してしまいます。
ガラス戸を叩きまくるなり、強硬手段で訴えることも可能でしたが、こんなところでことを荒げたくはありません。ナットクはいかないけど、僕らは抗議をすることを諦めました。
クソババアの目を見て悟ったのです。魚の腐ったような汚い目を。あぁ、このババアはお釣りを間違えたわけではなくて確信的にお金をすったんだな、と。いまでもあのクソババアの目は脳裏に焼きついています。
クロアチア人とて、万人が善良な市民というわけではないでしょう。中には汚い人だっている、だまされたことも勉強料だと思って、次回からはトイレの料金を払うのにお札をださなければいいだけのこと。気分は悪かったけど、自分たちに甘さがあったことを反省し、再びバスに乗り込みました。
17時半ごろ。とてもキレイな湖の前を通りました。なんという湖かわからなかったので、GPSでポイント登録しておき、家に帰ってきてから調べたところ、Bacinska Jezera という湖だとわかりました。Google で検索すると、キレイな写真がたくさんヒットするので良かったら見てみてください。
バスの中から山に沈んでいく夕日が見えていました。
18時前になると、途中で警官がバスの中に入ってきます。GPSで現在位置を確認していた僕は、その理由はすぐにわかりました。もうすぐ、ボスニア・ヘルツェゴビナの国境が近づいているからです。
クロアチアの地図を見ればすぐにわかるのですが、ドブロヴニクへ行くためには一旦、ボスニア・ヘルツェゴビナの国境を越えなければいけません。国境を越えてからまたクロアチア領に入るまでには10km ほどの距離があります。
わずか10km ではありますが、他国の領土になるのでパスポートチェックがはいります。警官は、パスポートチェックのためにバスの中に入ってくるのです。
ボスニア・ヘルツェゴビナの検問所を抜けるとすぐに、2回目のトイレ休憩がありました。今回の休憩時間は20分ほどありました。
そのトイレ休憩の場所は、まさにボスニア・ヘルツェゴビナの領土内(ネウム)にありました。つまり、わずか20分だけではありますが、僕らはボスニアの地にも足を踏み入れたことになります。たいしたことではないけど、こういうのってなにげに結構、嬉しかったりしますよね。
休憩所からは、アドリア海の夕焼けがキレイに見えていました。日が水平線に沈んでから20分ぐらい経っていたでしょうか。オレンジの空からピンク色の空に移り変わるマジックタイムに、ちょうど居合わせることができてヨカッタです。
この休憩所にあったORKA というスーパーマーケットで、KONZUM というチョコを発見しました。スーパーのKONZUM はよく見かけますが、KONZUM純正(?)のチョコを見たのは今回が初めてでした。
休憩は20分のはずでしたが、バスの運転手さんはレストランの中で30分ぐらい休憩をとっていました。その遊び過ぎてしまった時間を取り戻すかのように、乱暴な運転がドブロヴニクまで続きます・・・。